しかも
Vol 2 号 2
March 2011
健康に関するアドバイス
シナモンが体重と血糖値の制御を促進?
台所でしばしば使われるスパイスであるシナモンは、朝食のオートミールにふりかけたり、サツマイモパイなどにも使われますが、これまでの調査・研究によって、血中のブドウ糖値を下げる働きをもつことが分かってきました。この領域での効用とは別に、さらなる研究や民間伝承医学によれば、シナモンには体重の減少をもたらす脂肪燃焼の特性があるとも言われています。このシナモンは古代より用いられ、様々な文化において重んじられてきました。
2003年に刊行された「糖尿病のケア」誌の中で、毎日少量のシナモン(1グラムから6グラム:茶さじ約1杯から2杯)を摂取していた2型糖尿病患者の血糖値の低下が見られたとの研究発表がありました。シナモンがもたらす効用の仕組みに関してはまだ解明が待たれるところですが、同研究は、シナモンの摂取を止めて20日以上たった後もその効果が持続したと報告しています。また、2009年のスカンジナビアでの研究は、毎日3グラムのシナモンの摂取が健康な人の食後の血糖値を下げたことを示しています。
高いレベルのインシュリンは過度の血糖の消費を少なくしてしまいます(そして糖は体内に脂肪として蓄積されます)。従って、食後のインシュリンの低下が重要になってきます。もし、シナモンが血糖と併せて脂肪をコントロールする働きがあるとすれば、これまでに言われてきたような体重減量の可能性の理論を裏づけることになります。
このシナモンは中世においては金(ゴールド)よりも貴重なものとされてきました。一つにはそれがもとで、セイロン(現在のスリランカ)の覇権をめぐってオランダーポルトガル間での戦争さえ勃発したのです。当時のスリランカでは甘いシナモンがふんだんに産出されていました。「本物のシナモン」と呼ばれるセイロンシナモンはいまだにかつての名残を表しています。
カシアシナモンは広く知られる別の種ですが、より高価な「本物のシナモン」とは異なり、その入手可能な手軽さから広く一般に用いられています。セイロンもカシアもともに歴史は古く、カシアは聖書の中で、モーゼが油注ぎの際の混合成分として指示したという話があります。古代エジプトでは死体の防腐保蔵処置の材料として、また食物の香り付けとしても用いられていました。
シナモンには様々な種類があり、甘味の香りや形、色など多様性に富んでいます。また、効用も、水虫を治すための殺菌作用や、香りの吸引により記憶を増強させる作用、お茶と共に用いての胃炎鎮静・消化促進作用などがあります。特筆すべきことは、シナモンの摂取によって体内に過剰な熱が作り出されるということです。人体はホメオスタシス(生物体が体内環境を一定範囲に保つ働き)を維持するためにそれ自体の熱を作り出し(産熱と呼ばれるプロセス)、シナモンによる熱に対抗しようとします。この一連の経過の中で体内の脂肪が燃焼されるのです。
最も人気のあるスパイスの一つであるシナモンは、様々な食物の香り付けに用いられます:お茶、パイ、ケーキ、アイスクリーム、スープ、おだんご、カレーなどです。大切なことは香りによって鮮度が識別できるということです。刺激のある甘い香りは新鮮さを表しますが、香りに何かしらの苦みが感じられたり香りに刺激のない状態は鮮度を失っており、望まれる効用としての体重減少作用は期待できません。シナモンを他の食物と混ぜ合わせることはその香り自体を引き出すことにもなりますが、もしシナモンが新鮮でなければ、他の材料や成分に対して引き立つような香りも期待できません。
シナモンの過剰摂取による持続的な副作用については、これまでのところ全く報告されていません。しかし、すでに糖尿病やコレステロール摂取制限のある患者さんにとっては医師からの禁忌(普通なら適切な療法であるのにそれを適用できない状態)的な助言が必要となります。そうしたケースでなければ(一般的には)、シナモンは血糖値と体重双方に低下をもたらす有効な代替手段として広く認証されています。出典:NaturalNews.com and http://care.diabetesjournals.org
慢性関節リウマチの8つの症状と徴候
慢性関節リュウマチは深刻な自己免疫疾患で、関節を初めとして体の様々な部位に悪影響を及ぼします。またこの疾患の診断は困難であり、他の病状に酷似していたり、突発的に発症したかと思えば、鎮静し、時間をおいて別の部位で発症するといったこともあります。医療検査も完全ではありません。診断結果が陰性であっても実際には疾患が認められることがあります。エックス線検査もその初期にあっては何も示してはくれません。
ここに慢性関節リウマチによるものかどうか疑わしい8つの症状や徴候を挙げてみます。
治りづらいケガ:捻挫など治りづらいケガが慢性関節リュウマチを原因としたものである可能性があります。ニューヨーク市にある特別診療・救護院に勤めるリュウマチ科医師であり薬剤師であるマンデル・リサ・A氏によると、こうしたケースは若い世代によく見られるとのことで、サッカーをした翌日、ひざが腫れてしまうということもあり、「2回のひざ関節親和性の手術とひざの理学療法を受けた人々が実際に慢性関節リュウマチであったというケースがあります。」と述べています。
手の麻痺・しびれ:慢性関節リウマチの一つの症状は手根管症候群(Carpal tunnel syndrome:手根管(腱と神経が通っている手首内の管)の中を走る正中神経が何らかの原因で手根管内圧が上がり、圧迫されて引き起こされる疾患群)に酷似しており、手や手首のしびれとして表れます。マンデル医師はその感覚は(肘先の)尺骨の端を打ちつけた時のものと似ている、と説明しています。この症状は腕の腫れが手の神経を圧迫することで引き起こされ、しばしば、就寝時に悪化します。慢性関節リウマチに言及することなく、医師の診断を仰いだ場合、手根管症候群とされるかもしれません。
足の問題:慢性関節リウマチを原因とする痛みや炎症が頻繁に起こる部位としては足の前部です。ハイヒールを履いていた女性が痛みのために履けなくなったり、足底筋膜炎(かかと近くの足の裏の組織の腫れによって生じる炎症)のためにかかとに痛みを訴えるケースなどがみられます。
目の問題:慢性関節リウマチはさらに、シェーグレン症候群(腺からの湿気成分分泌を阻害する炎症によって目・鼻・口・のど、皮膚の乾燥をもたらすような自己免疫不全)を患う危険性があることをマンデル医師は指摘しています。この症状は慢性関節リウマチの初期段階でさえ発症する可能性がありますが、一つの器官の症状に限定されないことが多いのです。ドライアイを患う多くの人は眼科を訪れ診断を求めますが、マンデル医師が勧めることは、眼科医であっても、あるいは特定の専門科医であっても、体の他の部位の症状をも共に伝えていく必要があるということです。
両膝の痛み:慢性関節リウマチに最もよく見られる症状の一つとして両膝の痛みがあります。人々はしばしばその原因が膝の酷使あるいは老年期によく見られる関節炎である変形性関節症
であると考えます。この痛みはまた結合組織炎あるいは慢性疲労症候群(疲労は慢性関節リウマチの症状でもあります)として誤診されることもあります。慢性関節リウマチによる関節痛はすぐに治まるものではなく、通常一週間以上続きます。またもう一つの特性として対称性―両手・両膝・両足・両足首が同時に影響を受けることが挙げられます。
朝に現れる関節の硬直性:慢性関節リウマチの別の特徴としては朝に現れる関節の硬直性です
また、この症状は睡眠などのように体が長時間活動していない後に痛みが生じるような変形性関節症に広くみられるものでもあります。この2つの症状の違いは後者の場合、通常30分程度で痛みが治まるのに対して、前者の痛みはもっと長くほぼ一日続くことがあります。適切な運動療法によってこれら双方の硬直性や痛みを軽減することができます。
関節のこわばり:慢性関節リウマチは特に膝や肘の関節のこわばりをもたらすことがあります。関節のまわりの腱の腫れがひどくなり、それによって関節を曲げることができなくなってしまうのです。この症状が進行した際には、膝の後ろの嚢腫となって関節の動きを妨げることにもなりえます。この症状は関節間軟骨裂傷(スポーツでよく見られる膝関節のケガで、嚢腫の形成を後に伴うことがある)と誤診されることもあります。
小瘤:関節患部の皮膚内に生成される固いしこりで、しばしば肘の裏やときおり目にも現れます。慢性関節リウマチの進行の進んだ段階でよく発症し、またその前段階においても時折見られることがあると、マンデル医師は説明しています。小瘤は関節炎の一種である痛風として診断されることもあります。 出典: Health.com