 健康に関するアドバイス 

筋肉の痛みに生姜を

インド及び中国で、吐き気・消化不良・お腹の張り（ガスがたまる）などに対する伝統的な治療薬として長年用いられてきた生姜が、運動のし過ぎによる筋肉の痛みや腫れを和らげる働きのあることが科学的にも証明されています。新しい研究によれば、毎日の生姜の摂取によって過酷な運動の後の痛みが和らげられることが分かりました。

ジョージア大学の研究員は毎日の生姜の摂取によって運動によって生ずる筋肉の痛みが抑制されるかどうかを調べました。３４人の被験者からなる第一のグループでは精製されていない生のしょうが２グラムの入ったカプセルを服用しました。この量は健康食品店で売られている生のしょうがカプセル５００ミリグラムに相当します。４０人の被験者の第２のグループでは熱処理をしたしょうが２グラムを摂取しました。以前の研究では熱処理をした生姜が痛みを和らげる成分を増加させる可能性があることを示していたからです。３番目のグループはプラシーボ（実際にはしょうがの入っていないただのカプセル）を用いました。全てのグループで連続１１日間カプセルを飲み続けました。筋肉の炎症や痛みを誘発するような極めて集中したウエイトトレーングをカプセル摂取前の７日間及び摂取後３日間行いました。

１１日間の生姜カプセル摂取の後、痛みの度合い・筋肉を動かすことのできる範囲・パワーの増加・炎症などの様々なチェック項目によって結果が測定されました。プラシーボを摂ったグループに比べ生の生姜カプセルを摂取したグループは痛みの減少度合いが２５％で、熱処理をした生姜カプセルを摂取したグループは２３％でした。

この研究を指導したパトリックオーコナー博士は、アスピリンやイブプロフェンのような非ステロイド系炎症抑制剤によく似た役割を生姜が果たしていると説明しています。　また、生姜はこうした薬品とは異なり、炎症を生じさせる化学物質の生成を減少させ、神経周辺組織に見られる痛みの信号を受け取る受信器の感度を減じる役割も果たしています。オーコナー博士は更に、イブプロフェンやナプロキセン（鎮痛剤）を用いた同様のテストよりもより大きな鎮痛効果を参加者が体験しながらも、非ステロイド系炎症抑制剤によって誘発される胃のむかつきや潰瘍といった副作用を被らずに済んでいる、と述べています。これらの結果は２０１０年９月号の　ペイン（苦痛）ジャーナル誌に掲載されました。

もし、みなさんが長距離のハイキングや激しい運動を予定していて、こうした生姜の効能を試されたいのであれば、標準的な５％分生姜エキスを含むカプセルを購入され、運動する日の数日前から毎日１カプセルを服用してみてください。もし、生姜の味がお好みであれば生姜の粉をティースプーン一杯、もしくは生姜エキスをスプーン２分の１、あるいは、細かく刻んだ生の生姜をスプーン一杯摂られると良いでしょう。